あふれでる水の行く先は

鎌倉に白玉あんみつ食べにいこうぜ~ってお母さんから電話がかかってきた昨日の朝。夏!なワンピースを頭から被る。わー!なんて夏なの!なんでこんなにも出番がないの… 電話口で「今日は抱えている原稿とか仕事ないの?」って言いそうになったって言われて笑う。あれやんなきゃだから早く帰んなきゃ…って言いながら毎回遊んでいた。とはいえいつもしまいにはあしたがんばればいい!追い詰められた方が捗るし!と結局やらないのに…
いつだったかの2万字の原稿。ちょうどお母さんが東京に遊びに来ていて、でもぜんぜん書き進められなくって。机に向かって頭を抱えていた。そんなこともあった。どうしようどうしようって焦るわたしに、何で書けないのか?それは書いたことない種類だからか?書いたことない長さだからか?もしくはただのプレッシャーなのか?と尋ね、「今までやって来たこと、書き出してみたら?」と言われたのを思い出す。
エクセルを開いて、日付、クライアント、媒体とコーナー名を書き出し、人物なのか潜入ルポなのか情報まとめる系なのか取材の種類を分類する。あとは、取材の所感と原稿の所感をそれぞれまとめて、覚えている限りのお客さんからの言葉を書いていく。整理して再編集していくのが昔から大好きで、原稿なんかそっちのけで夢中になって三時間ぐらい書いていた。ああ、ああ、とぜんぶの現場が鮮明に思い起こされて、大丈夫、大丈夫って、数はまだまだだけど、ちゃんと毎打席めちゃくちゃに立ってきたじゃーん!って。
いまでもあの原稿を書く前のあの焦燥感とかこわさとかは思い出せるけど、書き初めてからのことはほとんど覚えていない。ただ、週明けに上司に見せるとなんかわかんないけどめちゃくちゃ喜んでくれて、そのあともたくさんの人にほめられてうれしかった。なにが良いのかはわかんないけど、そりゃ精一杯書いたんだから良いに決まってんだろ!
そんなことを思い出して、そんなことを話しながらあんみつを食べた。花壇や野花、木にとまるセミを探して歩く。愛の不時着が良かったので夜は新大久保に。マッコリのグラスやイイダコ炒めの鉄板を指しながら、せきとめられていたダムが決壊し始めている話。あー、とりあえずは流れ出るだけ流れ出ればいいって話。だからもうせきとめるのはやめた!行きたいところに行くし、会いたい人に会う。それだけのことをただ素直に繰り返していきたい。あふれでる水の行く先はだれも知らない。

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