スルメのように、かみしめる。
愛おしいもつ煮込み、串カツ、茄子チーズフライ、おでんのたまご、レバーの串焼き、そしてハイボール。ハイボールやレモンサワーはわたしの中で明確なはじまりがあって、のむたびにうれしい。ビビリなので孤独のグルメ、第一話は安心美味しい、大好きなオールスターズからはじめるよ。
理不尽なこと、世知辛いことは多いよ、それでも私たちは生きて、働いていかねばならないし、きっと明日やもっと先はもっともっと理不尽だったり世知辛いことが待っているんだろうよ。けれど、今のわたしにはこれが精一杯で、ここからひとつひとつ学んでいくしかないのです。
しけた毎日だなぁ、しけさせているのはわたし自身だ。どうにでも楽しめるのに、何を諦めて、勿体ぶっているのか。あほか。嫌なことがあればあるほど、涙が出れば出るほど、あんなに倹約しているのにお金を使うことに対して罪悪を感じない。お金を使うことは、生きていることだ。世界と繋がっているということだ。あほみたいなことが、あほみたいに、うれしい。みんなが楽しそうにしている姿をみながらお酒を呑むのが楽しい。末期か?これは末期なのか?
たのしい、いろんな人に連絡してしまった。気が大きくなる。いつもどれだけ気が小さくなっているかがわかる。気が小さくなっていてはだめだ、いろんな人を誘ってみたのでたのしみだ。レバーがおいしい。やきとりでタレを選ぶ人が好きで、最近試してしまう。悪い奴だ。タレを選ぶ兄や、友達に感動する。胃もたれだとか味がわからないとか、そういうんじゃない。タレが好きなんだよ、かっこつけて塩を選ぶのをやめたい。かっぺはかっぺだ。タレが好きなんだよ。と言いながらタレのレバーを口に運び、かみしめる。かみしめる、このうれしさを、このさみしさを、この、わたしの今日を、かみしめる。うまい。いやな一日だった。朝は遅延による振替輸送から始まった。いやな一日だった。煩雑に扱われることに敏感だ。嫌ないい方に素直に落ち込む自分が情けない。こんなにしょうもないことでなんでこんなにも涙を流し、悔しがっているのか。悔しい。こんなちっぽけなことだからこそ、ちっぽけなことにこんなにも悔しがる自分が、悔しい。もっと悔しいことが待っているというのに。強くなれ、と思いながら、悔しさを、かみしめる。日々をかみしめる。おいしい。どんなことも、どんとこい。かみしめてやる。かみしめてやるぞ。
いろんな人から返信が来る。うれしい。うれしさをかみしめる。スルメのように、かみしめる。
0コメント