「悲しい夜が明ける」
いつもの場所に帰る始発の電車のなかで、初めて知った曲を聴く。朝日が車内に差し込んだとき「悲しい夜が明ける」って耳元で鳴る。いくつもの悲しい夜を思い出して、いろんな人のそれぞれの夜を思って、ひとりきりの車両で繰り返し聴いていたら涙が出て、でもまた大切な曲に出会えたのがうれしくてすこし笑った。
誰かの大切な音楽や本や言葉が好き。誰かが大切に紡ぐ言葉も好き。誰かの目線を辿るのも、それが少しずつ自分のなかに落ちていく瞬間も好き。動機はなんだってよくて、ただどんな感情が残るのかってことだけが大事だと思うから。もちろんまだまだ足りない。数じゃないし、到底おんなじにはならない。でも重ねてみたい、新しい言葉全部にもっとわたしを重ねてみたい。いろんな音楽や本や言葉のこと、ずっとバウムクーヘンだと思っている。何層も何層も継ぎ足し継ぎ足しでずっしり重くなって、食べても食べてもなくならない。ひとりでも、誰かとでも。焼きたてはいつだっておいしいし、いろんな味を知りたい。駅構内のコンビニでひと切れのバウムクーヘンを買って食べた。
サカナクション「白波トップウォーター」
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