「美しいものだけを貪っている けがれなき欲望に身を委ねて」
一昨日、帰ってきておみそ汁をつくりながら、「ちゃんとぜんぶ自分で選んでる」って思った。やっぱり2口コンロにしてよかった。なんども迷ったけど、愛しのドラムを持ってきてよかった。冷蔵庫は大きなのにしてよかった。この街にしてよかった。これでいっか、とか、しょうがないか、とか一切なしにして選んでいくことが、いまのわたしにとっていちばん大切なことなのだ。何かの理由でそうせざるを得ないことだって、しょうがない、で選んだことには決してならないのです。
ちょうどいい分だけのご飯は落ち着くし、見たいドラマを見て、ちゃんとメイクをおとして、だいたい決まった時間に布団にもぐる。そうやって、ちゃんと今日を終わらせないと。最近はそんなふうに、やってくる明日のうれしさを噛み締めている。こんな当たり前のことなのにできるようになるまでに25年もかかって、でも意外とすぐにできちゃってあっけないもんだなあと思う。それなのにふと翌朝は、これって延々?とよぎってバカみたいだった。決まった時間に好きな曲が鳴って起きて、ちょっとそのまま音楽を聴いてむっくり起きて、顔を洗って準備してお弁当をつくって、好きな匂いをふりかけて、うまくいけばうまくいくほど、まじかという気持ちになってうけた。
新しい仕事では、当たり前のことを当たり前にやるだけで褒められてびっくりする。あたしにとっての当たり前はみんなにとっての当たり前ではないのだ。当たり前は当たり前にちゃんとやっていきたいし、新しい当たり前も当たり前にできるようになりたい。あと、最近仕事以外でも新しいつながりができたのでうれしい。今まで人に頼ってばかりだったけれど、自分の世界は自分で広げていかなければならないのだ。たとえそのきっかけが誰かのおかげでも、その先は自分次第でしかないのだから、ちゃんと自信を持っていこうぜって。どれだけ場所が変わっても新しい場所を探し求める気持ちがちゃんと戻ってきて少し安心した。小さな一歩でもうれしくなった。
それなのに、仕事からの帰り道に久しぶりにスーパーに行ったらかなしくなってしまった。うれしいことがいくらあってもかなしいことがなくなるわけではないのが面白いなと思う。誰かのためになんてくそくらえだと飛び出してきたのに、ちゃんとあたしは誰かのためにごはんをつくるのが大好きだった。いろんなアイスを眺めながら、それに気づけただけでもよかった。
そんな一昨日と昨日を過ごして、今朝から久しぶりにハバナイを聴いている。11月はハバナイがよく似合う。だってラブリーだからね。散っていく木の葉と澄んだ冬の空気、白い部屋に窓から差し込む光。マルチーズみたいなきらきらしたモンブランを食べたり、友達とメガハイボールで乾杯したり、久しぶりの先輩に連絡してみたり。いつだって美しいものだけを貪っていこうね。
Have a Nice Day!「わたしを離さないで」
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