パトス、たとえばそれは、食洗機
なんかわかんないけど、信念ってなに、パトスってなに、どこにあるの、それ大事。
たとえばその一部ともいえるものは、わたしにとっての食洗機であり、締め作業。アルバイト先々の食洗機や、締め作業が好きだ。締め作業フェチだ、と思いながら締めていた。延々と語ることができそうな、食洗機の魅力。締め作業への心構え。
わたしと食洗機との出会いは、初めてのアルバイト先であるファミリーレストランね。初めて見たそれは、それはそれは感動的だった。なんじゃこりゃ。その次はテーマパーク、あれ以上の食洗機には出会わなかったわ。あとはお好み焼き屋さんに、次はカレー屋さん、パン屋さん。どれも食洗機としては同じ用途で、テーマパークの例外を除いて大体が同じようにできている。でもそれぞれ少しずつ形や操作方法、かかる時間、締め方が違っていて、さらにもちろんお店ごとにやり方が違っていて、それらがわたしをわくわくさせるの。おうおうおう、ここは羽がプラスチックだ!おうおうおう、ここはタッチパネルが導入されているぞ!終わったやつを隣におけるものもあればおけないものもあったり、熱い熱い言いながら水を流さなくちゃいけないものもあれば、ボタンひとつで済むものもある。何百通りの食洗機が世にあることか! 食洗機とは、なんでこんなにも奥が深いんだ。ううむ。
あとは、それらをふくむ、締め作業。締め作業なんて大嫌いだったのだから、いつのまに締め作業フェチなんてあほらしいフェチを獲得したの、なんて自分が信じられない。あれだけ鍛えられれば、当然である。テーマパークでの締め作業には、恐ろしいほどの覚えなくてはいけない工程や順番、そしてその時その時のタイミングを見計らう、眼力や予知能力が必要で、わたしは本当に苦手で、締める前のシフトになれとこっそり祈っていた。しかし、覚えなくてはならない時は来る。同期がどんどんパワーアップしていくのを見ながら、締め作業がこなせることこそがステータスとすら思っていた。しかも、締め作業要員にならなければ、同期といっしょに帰ることはできないし、それはすなわち、いっしょにアイスや唐揚げを食べてあの長い道のりをだらだら喋りながら帰られないということである。話は逸れたけれど、そんななかで、ボタンひとつで終わる作業を、機械にビービーいわせながら長押しでむりやりこなしたり、作業に使う氷を床にめちゃめちゃにばら撒いたり、急ぐあまりごみ捨て場ですっ転んだり、そりゃもういろんな人に迷惑や心配をかけながらやっていたわね。でも、いつのまにか全部を勘でこなせるようになり、他の人が何をしてほしいか察知できるようになり、周りが見えるように、なっていった。それは、同期や先輩のおかげである。みんな、みんなのことを考えていて、とてもスムーズで、気持ちの良い空間だった。純粋に、尊敬していたし、今もそうだ。そういう気持ちのいい人のことが、一貫して好きなのだ。
そんな締め作業を経てからというものの、どんな締め作業にもいとおしさを感じるようになってしまい、今だ。二日目のアルバイト先で、気持ちを込めて、迅速に、締め作業をした。ひたすらに楽しい。すべてが元の場所に戻って行って、営業時間外の店の姿を見ることができる。どうやってお店が回っているのか、世界が回っているのかをちょびっとだけ、垣間見ることができたような気がする。そんな気持ちにさせてくれる締め作業が好きだ。だれか、食洗機について語らないか、語らない、か。はあ、あのそれぞれのかっこよさを、知ってほしいわ。
なにかを習得することや、知ること。知ったものをわたしなりに再編集すること、それを応用すること。世界を感じること。繋がること。いろんな要素が締め作業には詰まっているのよ。どう、締めたくなった? ちがうか。
あなたの信念は、どこにあるのかな。年末に片想いを見ながら、信念について考えていた。なにであろうと、信じて疑わないこと、はこんなにも美しいんだなって。そこにいる人たちもそうだけど、なぞにいっしょにたまにライヴに行くようになった友達との距離感がうれしかったからかな、みんなが、自分の信じるものを信じているような気がして、信じるものを信じることってこんなに心地良いんやなって、とっても心地良い空間だったよ。
ポテンシャル、すべてはポテンシャルだよ。なにがあっても、なにに対しても熱いものがある人が勝つし好きだよ。パトス!パトスパトス!!燃やしてこう!!わたしはまだ彷徨っているけれど、彷徨っているからこそ身近なものにまず燃やしていこうと思っているよ!パトス!言いたいだけ!!
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