綺麗な海と砂漠
邦画も邦ドラマも好きよ。いろんな系譜や文脈、ジャンルがもりこまれていて気持ちいい。はっ、これは絶対椎名林檎、しかしこの人たちが歌う椎名林檎、なんてまた素敵なの、というかなにこれ、なにこの主人公たち。フォルムや声のかすみ具合、色合いが掛け合いが絶妙。狙っているシーンにまんまと大爆笑してしまうし、どきっとしてしまう。単純であれば単純なほど、世界はぐんと面白くなる。
たのしい。新しいクールが始まるとどきどきする。ちゃちなドラマが増えたのか、それともわたしがつまらなくなってしまったのか、と思っていたけど、違うかもしれない。たしかにちゃちに見えても、面白い瞬間って必ずあるのだ。自分だけの、面白い瞬間。You've Got Her in Your Pocket、だ。
嬉しいことがあった。いろんなものがスパンスパン、と決まっていくことが嬉しい。約束や予定というものが定まるのは嬉しい。気持ちいいほどスムーズであることには、わたしの心にも、相手の心にもなんの迷いも戸惑いもないことや、お互いの距離感、お互いを尊重し合っていることがよくみてとれる。それがわたしの安心なのだ。関係というのは、それくらいはっきりと、気持ちのいいものに越したことはない。一つ言うといろんなものが返ってくる。気持ちのいい楽器みたい。カルテットにしては一人足りない。くだらなさに笑える時もあれば、笑うことすら面倒くさくって笑わないこともある。答えたくないことにはノー・コメントだし、なんだか見守られすぎておいおい保護者。
ずいぶん昔のことのようだ。美術館にあったいろいろな作品。すごく嬉しかった。なつかしい。綺麗な海が写っていた。きっとここには何かあって、でも何も言わないところが好きだ。
ジメジメ、ノートに書きながら自分を整理していた。あ!字が小さいからダメなんだと大きく書き始めたら元気が出た。一行目に無理という言葉を使わずに書き進める、と記して書き始めたのに、中盤で無理と無意識に書いちゃって一人で爆笑した。
わたしの煙草は料理であった。無になれる瞬間。何も考えない瞬間。人に話したら「本読んでいる時じゃないの」と言われたけれど、わたしは笑いたくなって、帯に「絶対笑える」と書かれているような本を選んで笑うくらいなものなので、全くもって無じゃないね。日々の生活に追われて料理を怠るのはあんまりよくない。お弁当なんてちゃっと終わってしまうので料理に入らない。一品だけでも、丁寧に日々作ることが大切なのね。
つよく、やさしく、ていねいに。新年始まってまだ18日なのに全然できていない。いろんなものの境目がなくなっていたね。もっと距離を見つけよう。速すぎて止まって見えるのと一緒で、動きすぎは、動けないことであるのね。距離を測るのは、わたしの役目だ。
さて、面白いけど好きじゃない「絶対笑える」本を今日のうちに片付けちゃうのよ。
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