博物館になりたい

面白い番組に出会った。Eテレの「ミュージックポートレート」

今回は妻夫木聡と満島ひかり。お互いの人生を音楽とともに振り返る番組なんだけど、二人のチョイスや、その時々の心境、どんなふうにその音楽を捉え受容していたか、っていうのをすごくいろんな視点で垣間見ることができて面白かった。


音楽はやっぱりその人の人生を映し出す。考えてみれば、音楽そのものよりも、その音楽をどんなふうに聴いてきたか、その音楽をどんなふうに自分の中に取り込んできたか、その音楽がなぜその時、その人に引っかかったのかっていうのを聞くことの方が好きかもしれない。やっぱり、人のことが好きなんだなって思う。

そのときに話すその人の表情も好きだ。わたしの知りえないことを思い出している顔。大抵みんな、とっても良い顔をしている。もっともっと見たい。もっともっと聞きたい。

満島ひかりが、エンドロールで妻夫木聡と話したことを「博物館にいるみたい」と言っていた。まさに、そのようなこと。

最近いろんな人と出会うこと、すれ違っていくことが増えて思った。ずっと無知なことを恥じて、あんまりしたくないけどちょっと見栄張って生きてきた気がする。しかし、流れている時は同じ。所詮おなじぶんの時間しか生きられないのだ。わたしがみたものきいたもの食べたものは、その人はきっと経験していないだろう。それは決してネガティブな意味ではなくて、だからこそ、その人のことを尊敬できるし、話を聞きたい。そしてそれと同時に、自分にもしっかりと話して伝える義務があるんだなって感じた。

話してもらって、与えてもらって、どうしてもわたしは何も与えられないのかもって思っていたけれど、それがいかにあほなことだったか!あほか!

わたしも博物館になりたい。

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