「案外みんなまともだよな」

鼻の先がツンとする。すかさず鼻をつまむ。わたしのすべての感情は鼻の先にあつまってくるようだ。悲しいことも、くやしいことも、みとめたくないことも、どきっとしたときも。いつも、ぐっとなにかを堪えるような思いになると、鼻の先がツンとする。

「この街で感じたことのすべて」

青臭さを目にすると、どうしても自分のことのようですぐに目を伏せがちだけれど、そんな青臭さの綺麗さを、ちゃあんとわたしは知っていて、まだ感じることができるのがうれしい。いや、まだきっとわたしも渦中なんだけれど。そんな青臭さのかたまりが、今のわたしにもじゅうぶんダメージを与えるのは、あなたもそれに気づいているから。気づいている人はうつくしい。気づいていてもなお、抗いつづける人は、なおうつくしい。どうか、なくならないでいて、あなたのそんな部分。わたしのそんな部分。

「ここから救って欲しかった」

顎を上げて、ツンとする鼻をつまんでいる。堪えている。目がしら、じゅわっと。音楽でこんな気持ちになるのはなんだかもうこっぱずかしいような気さえするけれど、うつくしいものは、うつくしい。わたしはいつまでも、そんな音楽や、誰かの感情や、自分をすなおにうけとめていたい。あなたもわたしも、アダルトジプシー。せっかくだから、もうちょっとこのままでいようか。いようよ。なんだかちょっと、おもしろそう。

「この街で生きて行くことに決めて」

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