「話違うんですけど、でも繋がるんですけど、」
「この6日間はすごく凝縮していたかもしれないけれど、今後は、これがずっと続いていくっていうことだから。辛い飯食うとかよりもつらいことかもしれない。でもそんな中に、うれしいこととか、何にも代えがたいものがあったりするんだよ。」
毎日挑戦をして、殻を破ろうと全身全霊で取り組んで、評価する人がいて、目に見える順位でそれが明るみになって、そんなオーディションを、そんな子たちを見ていて、なんてわたしはぬるいんだろうって思ってた。なにかどうにかしなくちゃいけないのに、なにをどうすればいいかわからない。会社でもどう立ち振る舞えばいいかわからないし、一言一言気を遣ってしまってうまく喋られない。
そんなタイミングで、部長と話す機会があった。
「そんなキャラじゃないでしょ」「今回は満足してんの?」ずいぶん前に、たぶん叱咤激励で「もっとうまくできるやつかと思ってた」って言われてから多分半年とか経ったんじゃないかな。仕事上で確認しなくちゃいけないこと以外はほとんど話す機会がなかった。いや、また失望されるのが怖くって話すのを避けてきたんだけれど。部長は私のことをよく見てくれていて、理解してくれていて、本当にびっくりした。
本音で話した、そりゃもうベラベラと。
当初、全然仕事がうまく回せずにへこへこと頭を下げてへこへことやり過ごしていたわたしだけど、無駄な部分にも気づいて少しずつ効率よくできるようになってきて、部長を頼らずひとりでのびのびと仕事をし始めた時期があった。意外とすんなりとうまくいって、最後に無事納品の報告をするだけまでになったんですよね。そのことを、ちゃんと見てくれていて、「いつからか覚醒したよね」って言ってくれた。
そうやって、そんな立場の人にわたし自身を分析してもらって、評価してくれる場って本当に初めてで、それでいて、ちょうど時期を同じくして見入っていたWACKオーディションと光景が全く同じで、鳥肌がたった。部長はカルチャーに精通しているからもちろんBiSのことも渡辺さんのことも知っていて、だからこそ、そのニコ生を見ている中での感想を、一生懸命話した。
「話違うんですけど、でも繋がるんですけど、わたし今ニコ生で6泊7日の合宿オーディションを見ているんですけど、早朝マラソンがあったりとか、ずっとカメラが回っていたりする状況とか、毎日順位づけされて、他人に自分をアピールしなくちゃいけないとか、そういうのみていてすごく自分が今ぬるいなって思っていたんです。昨日まで。でも、今部長と話していて、オーディションの中の面談と本当に一緒だなって。会社で働いていても、大変なことはたくさんあって、誰かとの関わり合いの中のたったの一言でその人の印象は決まるし、仕事である以上、他人と比べられて、順位づけをされている。そういうのを少し俯瞰して見れた気がします」
部長は「そんなこと考えてみてんの?」なんて笑いながら、でもわたしのことを受け止めてくれた。ちゃんと伝わったんだなって実感できるのはこんなに嬉しいものか。冒頭は、合宿最終日に渡辺さんが言っていたこと。考えていたことそのままで、答え合わせした気持ち。これまでの二回はなんとなく見ていたけれど、今回はすごくいろんな個人的な状況が重なってすごくずっしりと残る回でした。
毎日が試されている。何がってわけじゃないけど、負けたくない。ポケットから出てきたバッキバキのおせんぺい。
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