簡単なことを知っているからむずかしい

1/31(sun) カネコアヤノ@渋谷duo MUSIC EXCHANGE

ワンマンで彼女はこんな顔するんやなぁって思いながら観ていた。

オトトイのススメ! で以前見た時とはまったく違う顔つきだった。一体なにがそうさせているんだろう。

カネコアヤノは、ずっと、まっくろいステージとか、箱のなかで、どんと立って、照明もとってもシンプルでっていうのが一番似合うと思っていた。彼女がそこにいるだけで惹きつけられてしまうし、それ以外は不要なんだって。事実、奇をてらったものでは決してないのにも関わらず、彼女とそのバンドははちゃめちゃ”独特”だし、すっかり空気をかえてしまう。

「恋文」から始まるライヴ。どっしりと地に足をつけてひとりで歌い上げる姿。

「アイスキャンディ」の“じゃない”の顔。

子供の頃みたいな夕方のアニメのお供じゃない
青春時代みたいな部活帰りの癒しじゃない
たったひとりの恋人だってわかってるの?

「大学を卒業して、なんでもない人になったわけですよ」そう語る、23歳になった彼女。「大人ですよ」って言う。大人だよなぁ。クロマニヨンズのカヴァーが良かった。世の中には本当にたくさんの、いろんな優しさがあるんだなぁって思った。

終盤の2曲。ギターを置いて歌うカネコアヤノ。「銀河に乗って」のカネコアヤノが好きだ。ヤンキーさながらの顔つきに惹きつけられる。思わず身を乗り出しちゃうのはわたしも他のお客さんも一緒だった。この瞬間がたまらない。

「恋文」から始まったライヴが、「恋文」で終わる。

いつのまにか、シンプルなステージが一番似合うんだ、そう思っていたところからわたしもどこかへ連れ去られていた。もっと大きなステージで大きなカネコアヤノがみたい。

大きなステージとたくさんのお客さんを、彼女とカネコアヤノの"スピードとナイフ"でまるっと虜にしていく姿をみてみたい。

一つのバンドをこんなふうにみたことはなかったかもしれない。ワンマンのカネコアヤノも、対バンするカネコアヤノも、すごくいい。すごくいいライヴだった。
一番最後の「はっぴいえんどを聴かせておくれよ(仮)」が最高に良かった。

「こころとことば」を聴くとたまらなく込み上げてくるものがある。
同世代だからかな。女子だからかな。うーん、どれもなんだかあほらしい。
あほらしいけど、今、21歳で、彼女と彼女のバンドに出会えて最高に良かったって思う。

私の頭に たくさん埋まってる 地雷を踏んづけて 花火を見せられたら




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