「明日に落ちてく 大人になってく」
たくさんのぎゃー!という気持ちをばちぼこに噛み締めている。自分の発言を思い返してはそわそわして両手で口を覆ってしまうし、大好きな漫画を1巻から読み返しては初めて読んだときよりも台詞が突き刺さって鼓動が早い。ラジオを流しながら大量の雑誌や資料を整理していると1年目の頃の日報が出てきて、部屋の真ん中でうううと唸っている。こんな感情のことを尾崎放哉ならなんて言うんだろうと句集を開く。
「心をまとめる鉛筆とがらす」
「何も忘れた気で夏帽をかぶつて」
「何か求むる心海へ放つ」
あんたってやつは。この夏は心を放ちに、四方を海に囲まれた場所へ。こっそり忍足で放哉を訪ねよう。きっぷも買いに行かなきゃだし、新しいリップも欲しい! 明日から始まる知らない毎日に、不安なんかこれっぽっちも見当たらない、はずだから。
いまはただ、少しのうれしい約束だけを頼りに、行く宛もなく夜の街を延々歩いたりしたい。
きのこ帝国「夢みる頃を過ぎても」
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