「このまま君を連れて行くよ」
今日は、友達からかかってきた早朝の電話で始まった。こんなの初めてで、電話口で友達は泣いていて「いったん帰って寝な!」「起きた? かき氷でも食べに行こうぜ」そんなふうにして1日の大半が終わった。別れ際、友達は笑顔で、苦しくてたまらなくて思い出したくもない気持ちを知っていることが、誰かを救えるなんて思っていなかった。
あー今日で配信が終わる。もう一回、もう一回って、22時に。ギリギリ間に合うかなって雨に濡れながら、走って帰ってきたんです。おんなじように一人きりの真っ暗闇の中で、パソコンの前に膝を抱えて座って、歌詞とか、考えていることを書きながら見ていた。すると一昨日とおんなじ一瞬が、おんなじように、でもまた違うように良くて、ああ、ああ、ってうれしくってたまらなくって、缶ビールでも飲んじゃおって、冷蔵庫までパソコンを持っていって、肩ぐらいの高さの冷蔵庫にのせたら、あれ、これ完璧じゃない?って。そこはもう、あたしがなんどもぎゃー!って感動してきたマリンメッセとか、大阪城ホールとか、幕張メッセみたいで、缶ビールを持って、ずっと立って、好きなように踊って、最前列さながらで。とにかく楽しくて、とにかくうれしくって。
で、あーこの音がずっと欲しかったって、あー、この言葉がずっと欲しかったんだって思って。美しいものを信じてそれを追い求める姿に、そういう人だけが見せる一つ一つの表情にただただ救われて、なんか苦しい言葉もたくさんなのにずっとうれしくて、これは初めての感覚で、なんでだろうって思ってたら、この人は朝を歌ってくれる人、夜から連れ出して、朝につなげてくれる人なんだって気づいて、「このまま君を連れて行くよ」っていう歌詞がもっともっと心に届いちゃって、そうさせるのはこの人がちゃんと言葉と向き合って、それでいてチームでやってきたからなのかなって思うと、よりうれしくて、絶望から自分を救うように歌うんじゃなくて、新しい朝のために、この人たちは音楽をやっているんだって思って。
あたしが「sakanaction」をなんでか好きでたまらないのは、言葉と向き合い続ける夜も、そんな言葉を埋めてしまいたくなる夢の中も、目が覚めたときの光や目に入った花も、ぜんぶぜんぶ正しく思えるくらい、なんどもなんども訪れる夜と朝を歌っているからなんだって思えて、もっと好きになって、うれしい、うれしい、うれしい、まだまだこんな気持ちになれる音楽があった!音楽があった! あたしはもうたぶんこの日記を始めた頃とは違っていて、あたしがやるべきこともわかっているし、あたしを救ってくれる音楽も本も言葉もたくさん持ってるんだって。映画のつぎにも、音楽はあるんだなって。あー、こんな推敲しないままの文章をあたしは酔っ払いながらまた夜に投げ捨ててやるんだって。いいや、いいよね? だめかも。でも、いいや。まだまだ朝は遠いかもしれないけど、ストラクチャーを聴きながら、いまはそう思ってる。
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