柔らかい土の中に
ずどーんと落ち込むのに、電車の中は最適だ。
自分の感情にストイックなので、落ち込む必要なんか全くないのに落ち込んでみたりする。立っているだけなのに、身体が所定の位置へ運ばれていく。すごい速さで過ぎ去っていく景色に目がくらむ。半ば強制的にいろんなものから遠ざかっていく。ゴジラやハイボールや、買ってもらった本との距離がどんどん開いていく。
黒いしぶきに足を浸して5つ数えて
やっと一人になれた 今、何かが、始まった?
ceroの「大洪水時代」にぐっとくる。とっても綺麗。
そんなスーパー落ち込みタイムの終りを告げるのは、ホームと改札をつなぐ階段。サニーデイ・サービスの「INTRO」をこの階段で聴いたときから、この階段、なんだか特別に思える。思い浮かべるは、なんちゃって時をかける少女。すこし跳ね気味に降りるだけで、すこしだけせいせいする。ようやく思い出す。あ、あんなに思いをめぐりにめぐらせて落ち込んでみたけれど、そういえばわたしはこんなに単純であほだったわ、ってね。こんな工程を踏まなければいけなくなるような、わたしを落ち込ませることも、思い込み次第で自分の柔らかい土の中に埋めてしまえる。とんとんとん。たっぷり贅沢な栄養をあげて綺麗な花を咲かせてみせるんだから。目を離しちゃだめ。
これこそ健全な落ち込み方なんじゃないかしら、なんてうきうきしながら、今日はスーパーでもやしだけ買って、帰って来た。
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